ICL術後の注意点ややってはいけないこと|症状・生活制限・回復期間を徹底解説

ICL術後

ICL手術後は、「この見え方は大丈夫?」「いつから普段の生活に戻れる?」と不安に感じることもあるかもしれません。

術後は目が回復途中の状態のため、過ごし方に少し気をつけることが大切です。

この記事では、術後に起こりやすい症状や生活の目安、気をつけたい行動について、時期ごとにわかりやすく解説します。

この記事でわかること

小林 一博 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニック

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

 ICL術後の回復の流れと全体像

ICL手術は角膜を削らず、眼内にレンズを挿入する手術です。

個人差はありますが、傷口が小さく比較的回復が早いとされることが多いです。

しかし、術後の目は回復途中の状態にあるため、一定の注意が必要です。

まずは、術後の回復の流れ全体を把握しておきましょう。

術後回復タイムライン

時期回復の目安・主な変化できることの目安
術後当日・視力が出始める。
・ぼやけ、光のにじみ、充血が生じることがある。
・散瞳薬の影響でまぶしさを感じやすい。
・首から下のシャワー
・保護メガネ着用での帰宅
・軽い食事
・休息
翌日・多くの方で視力が安定してくる。
・異物感、乾燥感が残ることがある。
・検診後にデスクワーク復帰
・洗顔(目に水をかけない程度)
・スマホ、PCの短時間使用
3~4日後充血・違和感が徐々に落ち着いてくる・外回り
・立ち仕事への復帰目安
・洗髪
・軽いウォーキング
1週間後・点眼継続中。
・目のかすみや疲れを感じる場合がある。
・検診後に入浴解禁
・アイメイク
・飲酒の再開(医師の許可後)
・軽い筋トレ
1か月後・視力が安定してくる時期。
・点眼が終了する場合が多い。
・プール、水泳の再開
・激しい運動、コンタクトスポーツ、重労働、粉塵環境での仕事復帰
3か月後・ほぼ日常生活に支障なし。
・視力の安定を確認。
・ほぼ全ての日常活動が可能。
・定期検診で経過確認を継続。
1年後以降自覚症状はほとんどない状態が続く。年1回の定期検診を継続

ダウンタイムの目安は、個人差はあるものの数日〜1週間程度とされています。強い痛みや著しい視力の低下がなければ、1週間前後で日常生活に戻る方が多いとされています。

ICLの回復がレーシックより早い理由

レーシックは角膜をレーザーで削る手術のため、角膜の再生に時間がかかります。

一方、ICLは角膜を削らず、3mm程度の小さな切開からレンズを挿入するだけのため、角膜へのダメージが最小限です。

切開部分は数日で自然に閉じるとされており、術後の痛みも比較的少ない傾向があります。ただし、傷口が閉じるまでの期間は感染リスクがあるため、医師の指示に従った行動が重要です。

術後当日〜翌日|安静にすべき理由と過ごし方

手術当日は、身体も目も、まだ安定していない状態です。

「見えるようになったから大丈夫」と思いがちですが、目の中の傷はまだ閉じていないため、無理な行動は禁物です。

帰宅後すぐにやること・用意しておくといいもの

帰宅したらすぐに横になって安静にしましょう。保護メガネは外さず、目を触らないように注意します。処方された点眼薬は、指示されたとおりの時間・回数でさすことが重要です。

術前に用意しておくと便利なものを、以下にまとめます。

  • 保護メガネ(必須):病院で貸し出されるものは返却が必要なため、自分用を事前に準備しておくと安心です。花粉症用のメガネでも代用できます。帰宅後だけでなく、洗顔・シャワー時にも役立ちます。
  • ドライシャンプー:術後数日〜1週間は洗髪に制限があるため、事前に用意しておくと快適に過ごせます。
  • アイ浄綿(まぶた用の清潔シート):点眼前に目の周りを清潔にするために使用します。1日4〜5回の点眼が1ヶ月ほど続くため、60枚程度用意しておくのがおすすめです。
  • サングラス:手術当日は散瞳薬の影響で光がまぶしく感じやすいため、帰宅時に役立ちます。
  • 耳で楽しめるコンテンツ(音楽・オーディオブックなど):目を使わずに過ごせる時間を確保しておくと、安静中のストレス軽減に役立つでしょう。

当日やってはいけないこと一覧

術後当日は、以下の行動を避けましょう。

  • 目を触る・こする(感染症・レンズのズレのリスクがあります)
  • 洗顔・洗髪・入浴(顔・目に水をかけない)
  • メイク・コンタクトレンズの使用
  • 飲酒
  • 運動・激しい動き
  • スマホ・PCの長時間使用
  • 車・バイクの運転
  • 保護メガネを外して外出

特に「目に水が入ること」と「目を触ること」は、感染症リスクに直結するため、注意が必要です。

術後当日の見え方|正常な症状の目安

手術が終わった直後から視力が回復する方が多く、「こんなに見えるの?」と驚く方もいます。

ただし、最初のうちは以下のような症状が現れることがあります。

これらは多くの場合、一時的なものです。

  • ぼやけ・かすみ:麻酔薬や散瞳薬の影響で生じやすく、通常は数時間〜翌日までに落ち着きます。
  • 光のにじみ・ハロー・グレア:夜間の光が輪状に見えたり、まぶしく感じたりすることがあります。
  • 充血:手術による一時的な炎症反応として現れることがあります。

翌日の検診で問題がなければ、視力はさらに安定してくるとされています。「今日はまだぼんやりしている」と感じても、焦らず翌日の検診を待ちましょう。

術後1週間|日常生活への復帰タイミング

術後1週間は、傷口が閉じて炎症が落ち着いてくる大切な時期です。1週間検診で問題がなければ、少しずつ活動範囲を広げることができます。

仕事・学校への復帰目安と職種別ポイント

仕事への復帰は、職種によって判断基準が異なります。

デスクワーク・事務職の方は、翌日の検診後から復帰できる場合が多いとされています。

ただし、長時間のPC作業は目が疲れやすい時期でもあるため、こまめに休憩を取り、点眼のタイミングを守ることが大切です。

外回り・立ち仕事の方は、3〜4日後を目安に復帰を検討するとよいでしょう。

人混みや埃っぽい場所では目に異物が入りやすいため、外出時は保護メガネの着用を継続することが推奨されます。

重労働・粉塵が多い環境・汗をかく仕事(工場・建設・農業など)の方は、1週間以上の安静が必要になるケースがあります。

汗や粉塵が目に入るリスクが高いため、医師と相談のうえ復帰のタイミングを決めましょう。

いずれの職種の場合も、復帰のタイミングは翌日や1週間後の検診で医師に確認しながら決めると安心です。

入浴・洗顔・洗髪の解禁目安

行為目安
首から下のシャワー翌日から可能な場合が多い
洗顔翌日~数日後
洗髪翌日から可能な場合もあるが、自宅での自力洗髪は数日後が目安
入浴1週間後検診が済んでからが目安

運動・スポーツの再開目安

運動の種類再開目安
軽めのウォーキング数日後~1週間後
ジム・軽い筋トレ1~2週間後
球技・コンタクトスポーツ1か月後以降
水泳・プール一般的には1か月間程度は避ける必要がある
海・川・温泉一般的には1か月間程度は避ける必要がある

プールや水辺は雑菌が多く、傷口からの感染リスクがあるため、最低でも1か月間は避けることが推奨されています。

1ヶ月後の検診で医師の許可が出てから再開するようにしてください。

飲酒・メイク・カラコンの解禁目安

行為再開目安
飲酒1週間後以降(検診で許可が出てから)
アイメイク(マスカラ・アイライナー等)1週間後以降
ファンデーション翌日以降が目安
カラーコンタクトレンズ原則使用は推奨されません

アイメイクは目のきわに近いため、術後しばらくは避けることが推奨されます。

メイクオフ時に、目の周りを刺激するリスクもあるため解禁後も優しくケアしましょう。

スマホ・PC作業の再開目安

翌日の検診後から少しずつ使用できる場合が多いですが、術後1週間は目が疲れやすい状態にあります。

長時間の使用は控え、30〜60分おきに休憩を取ることを心がけるようにしましょう。

また、術後当日のスマホ・PC使用は、目への負担や充血の悪化につながる可能性があるため、最小限にとどめるよう心がけましょう。

やってしまいがちなNG行動

術後に気をつけたいのが、日常のクセによる”うっかりNG”です。

やってしまいがちなNG行動
  • 目をこする・触る:かゆみや違和感があっても、絶対に手で触らないようにしましょう。

感染症やレンズのズレにつながる可能性があります。

  • 点眼薬を自己判断でやめる:「もう良くなった気がする」と感じても、処方された期間は必ず続けましょう。

点眼薬には炎症を抑える・感染を防ぐ重要な役割があります。

  • 保護メガネを外して作業する:料理中の油はね、掃除中のほこりなど、家の中にも目への脅威は多くあります。

外出時だけでなく、家の中でも着用を続けましょう。

  • 目薬の容器が目に触れてしまう:点眼時に容器の先端がまぶたや目に当たると、雑菌が入る原因になります。

    容器は目の2〜3cm上から垂らすようにしましょう。

術後1ヶ月〜|安定期の注意点と定期検診の重要性

1ヶ月を過ぎると、多くの方で視力が安定してきます。

ただし、「症状がないから問題ない」と自己判断をして、定期検診を受けないことは避けましょう。

視力が完全に安定するまでには、個人差がありますが3ヶ月程度かかることがあるとされています。

眼圧・レンズの位置・水晶体の状態は、症状がなくても変化していることがあるため、定期検診による確認が重要です。

ICLはレーシックと異なり、レンズを取り出す・交換するといった対応が可能な手術です。早期に異常を発見することで、適切な処置につながります。

定期検診のスケジュールと確認内容

定期検診の一般的なスケジュールは、翌日・1週間後・1か月後・3か月後・6か月後・1年後・以降年1回とされています。

検診では、以下の内容を確認します。

  • 視力・矯正視力
  • 眼圧
  • 眼内レンズの位置・傾き
  • 水晶体の状態
  • 角膜内皮細胞の状態

「検診を受けに行くのが面倒」と感じる方もいるかもしれませんが、早期発見・早期対処のために必ず受けることが大切です。

術後に起こりやすい症状と受診基準

ICL術後に何らかの症状が出ると、「これは普通?」「病院に行くべき?」と悩む方が多くいます。

症状を正しく判断するために、チェックリストを確認しましょう。

症状別チェックリスト|正常・経過観察・要受診の判断基準

症状判断
ぼやけ・かすみ(当日~数日)正常
ハロー・グレア(当日~数週間)正常
軽い充血(当日~翌日)正常
軽い異物感・乾燥経過観察
強い痛み・激しい充血要受診
急激な視力低下要受診
目やにが多い・開眼しづらい要受診
光が全く見えない・視野が欠ける緊急受診
重い圧迫感緊急受診

ぼやける・ハローグレアは正常?いつまで続く?

術後にぼやけや、夜間の光が輪のように見える「ハロー」、まぶしく感じる「グレア」が現れることがあります。

これらは、目が手術に慣れていく過程で生じる症状とされており、多くの場合は数日〜数週間のうちに落ち着いてきます。

ハローやグレアはICL手術に特有の反応ではなく、レーシック後にも起こりやすい症状です。

特に夜間の運転時に気になりやすいため、術後しばらくは夜間運転を控えると安心です。

症状が1ヶ月以上続く場合や、日常生活に強く支障をきたす場合は、担当医に相談することが推奨されます。

早期受診が重要な理由

術後の症状のなかには、まれではあるものの、注意が必要なものもあります。

放置することで、重症化につながる可能性があるためです。

例えば感染性眼内炎は、術後早期に細菌が眼内に入り込むことで起こることがあります。

強い痛みや急な視力低下、多量の目やになどがみられることがあります。

頻度は高くありませんが、早めの治療が重要とされています。

また、眼圧上昇は、眼内の水の流れが一時的に滞ることで起こります。

見え方の変化など、自覚症状が少ない場合もありますが、眼圧が高い状態が続くと視神経に影響する可能性があるため、定期検診での確認が大切です。

さらに、眼内レンズのズレや傾きは、目を強くこすったり衝撃を受けたりした際に起こることがあります。

見え方の左右差やゆがみを感じた場合は、早めに相談しましょう。

「これくらいで受診していいのかな」と迷う必要はありません。

少しでも気になる症状があれば、早めにクリニックへ連絡することで安心につながります。

まとめ

ICL術後は、回復の流れを理解し、時期に合わせて無理のない過ごし方を心がけることが大切です。

手術が終わっても、すぐに目の状態が落ち着くわけではなく、術後1週間・1か月・その後の定期検診を通して、少しずつ安定していきます。

少しでも気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関へ相談しましょう。  適切なケアと定期的な検診を続けることで、安心して日常生活を送ることにつながります。

当院でもICL手術に関するご相談・カウンセリングを随時受け付けています。術後の経過に不安を感じている方も、どうぞお気軽にご相談ください。

ICL術後の生活Q&A

ICL術後によく寄せられる不安や疑問について、分かりやすくお答えします。

A

一般的に、翌日検診で問題がなければ飛行機の搭乗は可能とされています。

ただし、機内は乾燥しやすいため目が乾燥しやすい状態になります。

処方された点眼薬を持ち込み、こまめに使用することをおすすめします。

搭乗前に必ず担当医に確認し、許可を得てから移動するようにしましょう。

A

術後の視力が安定するまでには、個人差がありますが1〜3か月程度かかるとされています。定期検診を通じて変化を確認しながら経過を見ていきましょう。
また、ICLは術後10年以上経過した患者様においても、比較的安定した視力が維持されると報告されています。
ただし、加齢による眼の変化や、若い方の場合は成長にともなう近視の進行などにより、見え方が変化する可能性はあります。
気になる変化があった場合は、定期検診の際に医師へ相談しましょう。

A

ICL手術でレンズを眼内に入れることで近視を矯正するため、レンズが正常に機能している限り近視に戻ることはほとんどないとされています。

ただし、年齢による眼軸の変化や、若い方の場合は成長にともなう近視の進行が生じる可能性があります。心配な場合は定期検診の際に医師へ相談しましょう。

処方された点眼薬を持ち込み、こまめに使用することをおすすめします。

搭乗前に必ず担当医に確認し、許可を得てから移動するようにしましょう。

A

日常生活の範囲では、眼内レンズがズレたり外れたりすることはほとんどないとされています。ただし、目を強くこする・ぶつける・激しいコンタクトスポーツなどでは、リスクが高まります。

術後の注意事項を守り、目への衝撃を避けることが大切です。万が一ズレが生じた場合は、再度手術でレンズを調整することが可能とされているため、早めに担当医へ相談してください。

A

ICLで良好な視力が得られた場合、コンタクトレンズを使用する必要がなくなる方がほとんどです。

ただし、何らかの理由で度数の調整が必要な場合などは、医師の判断のもとで軟性コンタクトレンズの使用が認められることがあります。

自己判断での使用は避け、必ず担当医に相談してください。

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この記事の監修者
川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニック

川越ルミタス眼科 近視と白内障クリニック

院長 小林 一博

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

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