【専門医監修】白内障で失明するの?放置するリスクと失明率について

「白内障と言われたけれど、このまま失明してしまうのではないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、白内障と失明の関係や放置するリスク、治療法について、わかりやすく解説します。
小林 一博 (日本眼科学会認定 眼科専門医)
川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。
白内障で本当に失明するのか?

白内障と診断されたとき、「もしかして失明するのでは」と不安になる方は少なくありません。インターネットで調べると不安をあおるような情報も目に入り、余計に心配になってしまうこともあるでしょう。
結論からお伝えすると、日本では白内障単独が原因で、失明に至るケースは多くないとされています。
適切なタイミングで医療機関を受診し、必要に応じて治療を受けることで、視力の改善が期待できる場合が多くあります。まずは正しい知識を知ることが、不安を和らげる第一歩です。
白内障と失明の関係について、わかりやすくご説明します。
白内障で失明する確率は約3%、実はごく稀
世界的に見ると、白内障は失明原因の第1位(約51%)を占めると報告されています(2010年WHO報告)。
しかし日本では、医療水準の高さから白内障による失明率は約3%程度にとどまっています(厚生労働省研究班・2007年)。
これは、医療へのアクセスが整っているため、白内障が進行する前に適切な治療を受けられる環境が整っているためです。
定期的な受診と適切な治療により、視力低下のリスクは抑えられる可能性があります。
白内障で失明したら回復するのか
白内障が進行して視力が大きく低下した場合でも、手術によって見え方の改善が期待できるケースは多くあります。
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する治療です。
ただし、長期間放置して合併症が生じている場合や、目の状態によっては、十分な視力回復が得られないこともあります。
「進行してからでも大丈夫」と自己判断せず、気になる症状があれば早めに受診することが大切です。
失明リスクがあるのはどんなケース?
白内障そのものよりも、放置による影響がリスクを高める要因になることがあります。
進行した白内障では、水晶体の変化により眼圧が上昇したり、目の中で炎症を引き起こしたりすることがあります。
こうした合併症は、治療が難しくなる場合もあるため、「まだ見えるから」と様子を見続けるのではなく、定期的に目の状態を確認することが重要です。
白内障は治療すれば失明を防げる
白内障は、適切な治療を行うことで視機能の改善が期待できる病気です。
この点は、進行を完全に元に戻すことが難しい緑内障などとは異なる特徴です。
緑内障は、一度失われた視野を元に戻すことができません。
対して白内障は、手術によって根本的な治療が可能です。
「治療できる病気」であるという事実は、白内障と向き合ううえで大きな安心材料になるはずです。「治療の選択肢がある病気」であることを理解することで、過度な不安を軽減しやすくなります。
白内障を正しく知ることが不安解消の第一歩

「失明するのでは」という不安の背景には、白内障という病気への理解不足があることも少なくありません。
白内障の基本を知ることで、必要以上の心配を減らすことにつながります。
白内障は目の水晶体が濁る病気
初期のうちは自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
定期的な眼科検診で早期に発見することが、症状の悪化を防ぐうえで重要です。
白内障は、目の中でレンズの役割を持つ水晶体が濁ることで、視界がかすんだりぼやけたりする病気です。
水晶体のタンパク質が変性することで透明性が低下します。
初期は自覚症状が乏しいことも多く、気づかないうちに進行している場合もあります。
定期的な眼科検診で早期に発見することが、症状の悪化を防ぐうえで大切です。
加齢が主な原因|60代の約7割が発症
白内障は加齢に伴って起こることが多く、年齢とともに発症頻度が高くなる傾向があります。
ほかにも紫外線、喫煙、糖尿病、ステロイド薬の長期使用なども発症リスクを高める要因とされています。
年齢の影響と考えて見過ごさず、気になる変化があれば眼科受診をおすすめします。
白内障は怖くない、ただし放置は禁物
白内障は治療の選択肢がある一方で、放置によって状態が進行する可能性があります。
過度に恐れる必要はありませんが、「見えているから大丈夫」と放置するのは危険です。
自覚症状が軽い段階でも、目の状態を把握しておくことが安心につながります。
白内障を放置するリスクと進行について

白内障は自然に治ることはなく、時間とともに進行していきます。早期の対応が、その後の選択肢を左右することもあります。
放置するとどうなるのか
白内障を放置すると、視力の低下が進むだけでなく、合併症のリスクも高まります。
進行すると水晶体が膨らみ、眼圧が急上昇する急性緑内障発作を引き起こすことがあります。
また、水晶体の変化によって炎症が起こり、ぶどう膜炎を併発するケースもみられます。
こうした合併症は緊急の対応が必要になることもあり、早い段階に比べて治療が難しくなる傾向があります。
初期〜末期の4段階をわかりやすく解説
白内障は一般的に、以下の4段階で進行するとされています。
| 段階 | 状態の目安 |
|---|---|
| 初期 | 水晶体の一部が濁り始める。自覚症状はほぼない。 |
| 中期 | 視界のかすみやまぶしさを感じ始める。日常生活にやや支障が出る。 |
| 後期 | 視力の低下が顕著になり、生活への影響が大きくなる。 |
| 末期 | 水晶体がほぼ白濁し、ほとんど見えない状態になる。 |
初期から中期に発見できれば、治療の選択肢は広がります。
自覚症状がなくても、定期的な検診を心がけましょう。
こんな症状が出たら要注意
以下のような症状が現れた場合は、白内障の可能性があります。
放置せず、早めに眼科を受診することをおすすめします。
- 視界がかすんでぼやけて見える
- 光がまぶしく感じる、光の周りに輪がかかって見える
- 片目で見ると物が二重に見える
- 暗い場所での見えにくさが増した
- 眼鏡やコンタクトの度数が合わなくなってきた
これらの変化に気づいた場合は、早めの受診が安心です。
白内障の治療法

白内障の治療には、経過観察や点眼治療、手術などがあり、状態に応じて選択されます。
根本的に治すには手術しかない
白内障手術は、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、人工の眼内レンズを挿入する方法が主流です。
現在の医療技術では非常に安全性が高く、多くの患者さんが手術後に視力の改善を実感されています。
「手術」という言葉に不安を感じる方も多いですが、白内障手術は眼科領域でもっとも実績のある治療の一つです。
進行してから受けるよりも、適切なタイミングで受けることが回復につながります。
手術の成功率は非常に高い
白内障手術は、国内で年間150万件以上行われており、非常に高い成功率が報告されています。これは眼科手術の中でもとくに安全性が高い治療の一つです。
もちろん手術である以上、合併症のリスクがゼロではないため、事前の説明を受けて理解することが重要です。
手術時間は短く、入院も不要なケースがほとんど
白内障手術の所要時間は、一般的に10〜20分程度と比較的短時間です。
局所麻酔で行うため、全身への負担も少なく、日帰りで対応されるケースもあります。
ただし、手術内容や目の状態によっては異なる場合があります。
白内障手術はそれほど怖くない
手術に不安を感じるのは自然なことです。
川越ルミタス眼科では、年間2,500件以上の白内障手術実績があります。
豊富な経験を持つ執刀医と経験豊富な視能訓練士が連携して、一人ひとりの目の状態に合わせた丁寧な治療を提供しています。
手術に不安を感じている方も、まずはご相談ください。
進行を遅らせるための予防法

白内障を完全に予防する方法は現時点では確立されていませんが、生活習慣を見直すことで進行に影響する可能性があります。
ただし、予防法はあくまでも補助的なものです。
進行を感じたら、手術を含めた治療について眼科医に相談することが大切です。
- 紫外線から目を守る(UVカットサングラスや帽子の使用)
- 抗酸化栄養素を意識して摂る
- 禁煙・血糖コントロール
- 定期的な眼科検診
UVカットで目を紫外線から守る
紫外線は水晶体のタンパク質を変性させ、白内障の進行を早める要因の一つとされています。
外出時にはUVカット機能のあるサングラスや帽子を活用し、目への紫外線ダメージを日ごろから意識して減らすことが大切です。
特に紫外線が強い季節や時間帯には、より丁寧なケアを心がけましょう。
抗酸化栄養素(ビタミンC・E・ルテイン)を意識して摂る
水晶体の酸化を抑えることが、白内障の進行を遅らせるうえで重要とされています。
ビタミンCやビタミンE、ルテインなどの抗酸化栄養素を含む食品(緑黄色野菜・柑橘類・ナッツ類など)を日々の食事に取り入れることで、目の健康維持をサポートできる可能性があります。
禁煙と血糖コントロールも重要
喫煙は、白内障の発症や進行リスクを高める要因の一つとされています。
また、糖尿病による高血糖の状態は水晶体に影響を与えるため、血糖値の管理も目の健康に欠かせません。
こうした生活習慣の見直しは、白内障の予防だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
定期的な眼科検診で早期発見を
白内障は自覚症状が出にくいまま進行することがあります。
40代以降は症状がなくても定期的に眼科を受診し、目の状態を確認することをおすすめします。
早期に発見することで、点眼薬での経過観察や、適切なタイミングでの手術につなげることができます。
まとめ

白内障は「失明するのでは」と不安に感じやすい病気ですが、日本では適切な診断と治療によって視機能の改善が期待できるケースが多くあります。
一方で、放置すると状態が進行する可能性もあるため、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。
「最近かすんで見える気がする」「まぶしさが気になる」という方は、まず一度眼科での検査を受けてみてください。
川越ルミタス眼科では、丁寧な説明と豊富な実績をもとに、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。
不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問
白内障になると必ず失明しますか?
いいえ。日本では適切な治療を受けることで、失明に至るケースは多くありません。
白内障は放置しても大丈夫ですか?
放置すると視力低下が進み、合併症を引き起こすことがあります。気になる症状があれば早めに眼科を受診しましょう。
白内障は手術で治りますか?
白内障は手術によって見え方の改善が期待できます。手術の時期は、症状や生活への影響を考慮して判断します。
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川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。
