PanOptix pro(パンオプティクスプロ)

白内障手術で使用する多焦点眼内レンズの最新モデル「PanOptix Pro(パンオプティクスプロ)」。

これまで世界中で広く使われてきたパンオプティクスが、光の使い方をさらに改良して進化した後継レンズです。

この記事では、見え方はどのように変わるのか、従来モデルとの違いをわかりやすくご紹介します。

この記事でわかること

小林 一博 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニック

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

パンオプティクスプロとは?

PanOptix Pro(パンオプティクスプロ)は、アルコン(Alcon)社が開発した最新の3焦点多焦点眼内レンズです。

正式名称は「Clareon PanOptix Pro(クラレオン パンオプティクスプロ)」といいます。

白内障手術では、濁った水晶体を取り除いた後に、眼内レンズ(人工レンズ)を目の中に入れます。

PanOptix Proはその眼内レンズのひとつで、遠く・中間(約60cm)・近く(約40cm)の3つの距離にピントを合わせられる3焦点レンズとして設計されています。

前身にあたるパンオプティクスは、2019年に国内で初めて承認された3焦点眼内レンズであり、世界でもっとも使用実績のある多焦点眼内レンズのひとつとして知られてきました。PanOptix Proはその優れた基本性能を引き継ぎながら、独自の新しい光学技術「ENLIGHTEN® NXT テクノロジー」を採用し、光の効率と見え方の質をさらに高めた後継モデルにあたります。

レンズの素材は、透明性の持続性に優れた最新素材「Clareon(クラレオン)」を継続採用しており、長期間にわたって安定した見え方が期待できる設計です。

パンオプティクスプロとパンオプティクスの違い

PanOptix Proの最大の特長は、光の使い方の効率が大幅に向上した点にあります。

光学設計が根本から見直され、「より多くの光を無駄なく網膜まで届ける」ことを実現しました。

以下では、従来モデルとの違いを3つのポイントに分けて解説します。

光の利用効率(光利用率)が向上

目に入った光のうち、見え方に実際に使われる光の割合を「光利用率」といいます。従来のパンオプティクスでは約88%でしたが、PanOptix Proでは約94%まで高められています。(ベンチ試験データによる) 

より多くの光がしっかりと網膜に届くことで、明るい場所だけでなく、少し暗い場所でも見やすくなることや、物の輪郭のくっきり感(コントラスト)の向上が期待されます。

邪魔な光の広がり(散乱光)が「半分」に

多焦点レンズでは、構造上どうしても一部の光が広がってしまい、にじみやまぶしさの原因になることがあります。PanOptix Proではこの光の広がりが従来の約半分に抑えられています。

そのため、夜間にライトがにじんで見える「ハロー」や「グレア」が気になる方でも、より快適に感じられる可能性があります。

コントラスト感度が向上

コントラスト感度とは、明るさの違いや色の差を見分ける力のことです。この力が高いほど、曇りの日や室内でも物がはっきり見えやすくなります。

PanOptix Proでは、このコントラストも向上しており、見え方の質がより自然でなめらかになることが期待されています。

パンオプティクスプロがおすすめの方

PanOptix Proは、見え方のくっきり感や夜間の見やすさにも配慮されたレンズです。

次のような方に向いています。

  • できるだけメガネをかけたくない方
  • 仕事でパソコンを使う
  • アクティブに生活したい
  • 旅行や運転を楽しみたい

まとめ

PanOptix Proは、これまで実績のあるパンオプティクスをベースに、光の使い方をさらに工夫することで見え方の質を高めた新しいレンズです。

日中の見やすさに加えて、夜間のにじみやまぶしさにも配慮されている点が特徴です。

白内障手術とあわせて、より快適な見え方を目指したい方にとって、有力な選択肢のひとつといえるでしょう。

多焦点眼内レンズは、単焦点レンズと比較してコントラスト感度がやや低下する場合や、夜間にハロー・グレアを感じる場合があります。また、乱視の程度や、夜間運転の頻度が高い方、網膜疾患・強いドライアイがある方などは、適応とならない場合があります。 

PanOptix Proは選定療養(自由診療)の対象となるレンズです。費用については診察時にご相談ください。

当院では患者さまのお目の状態とライフスタイルをしっかりとお伺いした上で、最適なレンズをご提案しています。

どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問

A

PanOptix Proに採用された新しい光学設計技術です。目に入った光をより多く網膜まで届ける仕組みにより、光利用率の向上や散乱光の低減を実現しています。

A

保険診療と自由診療を組み合わせて受けられる制度です。手術自体は保険適用となる一方、多焦点眼内レンズを選ぶ場合の差額部分は自己負担となります。

A

見え方の希望や生活スタイル、目の状態は人によって異なります。診察でしっかりお話を伺った上で、医師が適したレンズをご提案しますので、まずはご相談ください。

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この記事の監修者
川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニック

川越ルミタス眼科 近視と白内障クリニック

院長 小林 一博

川越ルミタス眼科 白内障と近視のクリニックの執刀医。
東京大学医学部附属病院や虎の門病院等の基幹病院にて、高度な眼科手術の研鑽を積んだスペシャリスト。ICL認定医として近視矯正から多焦点レンズを用いた白内障手術まで、精密な手技を要する眼内レンズ治療を専門としています。
科学的根拠に基づく、正しい医療情報を発信しています。

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